ユノイチカ先生の単行本コミックス『夜明けの唄』4巻までの感想です。
BLアワード2022 BESTコミック部門 第1位を受賞した大人気作品です。
4巻はさらにすごかった…。アルトの正体が判明し、謎が謎を呼ぶ展開になっています…めちゃくちゃおもしろい!!
最新刊の4巻は2023年8月7日(月)に発売されました。
- BL初心者
- 壮大なファンタジーBLを読みたい
- これまで読んだことのないボーイズラブ漫画を読みたい
- 年下わんこが年上美人お兄さんにぐいぐい迫るのに萌える

タップできる目次
おすすめ評価
評価基準 | 星評価(5段階) |
---|---|
BL初心者おすすめ度 | ★★★★☆ |
エロ度 | ★★☆☆☆ |
切ない | ★★★★☆ |
ミステリー | ★★★★★ |
キュン度 | ★★★★★ |
満足度 | ★★★★★ |
『夜明けの唄』原作情報
著者 | ユノイチカ |
出版社 | シュークリーム |
レーベル | from RED |
シリーズ | 4巻(連載中) |
ジャンル
- ファンタジー
- ミステリー
- 人外
- わんこ攻め
- 年下攻め
- 美人受け
- 不憫受け
- 年上受け
- 切ない
- ピュア
ここから先はネタバレを含みます。お気をつけください。
『夜明けの唄』あらすじ

ここから先はネタバレを含みますのでお気をつけください。
1巻あらすじ
その島には、海からくる化け物と戦い、人々を守る巫子がいました。成長がとまり、呪いを受けた身体で孤独に闘う巫子の名はエルヴァ。
そんなエルヴァの身の上を知った少年・アルトは、彼をその役目から解放してやりたいと願います。
誰も近づかなかったエルヴァのもとに通い詰め、世話をするようになり、ずっと彼のそばにいると誓いました。
そうして8年――。アルトは精悍な青年へと成長しました。ともに過ごす日々で降りつもった恋心を、そっと胸にしまったまま…。
一方、数年の命と思われたエルヴァは、何故かアルトと過ごすうちに回復の兆しをみせていてーー?

圧倒的な画力と壮大なストーリーですぐに引き込まれました。二人の恋の行方とこの村の行く末がどうなるのか気になります!
2巻あらすじ
海に落ちたアルトは、流れ着いた先で西の覡(かんなぎ)マニエリに介抱されていました。
一方、不安に苛まれながらも、南の海を離れられないエルヴァは唯一、化け物が現れない新月の夜を待って、アルトを探しに走ります。
なんとか再会を果たすと、張り詰めていたものが切れたエルヴァは涙を見せます…。
そんなエルヴァに、あふれでる愛しさを抑えられなくなってしまったアルトは――。

エルヴァ様が健気でいじらしい。一緒にお風呂に入った時、無意識にエルヴァ様が恋人つなぎしてる…これはアルトもたまらんな笑。
3巻あらすじ
想い合う関係となった二人が迎える初めての新月の夜。
エルヴァはアルトに抱きしめられながらゆっくりと、心につかえていた苦しい感情を吐きだします。
互いの愛おしい気持ちは成長してゆくばかりで、触れたいと願った二人はついに――?
一方、アルトはレティの隠れ小屋で思いもかけない秘密を目にしてしまいます。
果たしてそれは、彼らに希望をもたらすのかーー?

急展開です。進撃の巨人のような展開になりました。二人はようやく恋人になり、さわりあいっこもする仲に…エルヴァ様がえっちすぎます///
4巻あらすじ
レティたちの目的、領主の思想、踏みにじられてきた覡の献身…。
次々と明らかになる事実に傷つくエルヴァだったが、どんな時もまっすぐに愛してくれるアルトを信じ、もっと深く繋がり合いたいとアルトに触れるのだった。
そんな中、双子覡の片割れ・ラウナはアルトに問う。黒海にも襲われず、墨痣を癒すあなたは何者なのかと…。

ついにアルトの正体が判明します!まさかのロミジュリ展開!?そして、エルヴァ様が男同士の営み方を知ってしまいます…♡続きが気になりすぎる!
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『夜明けの唄』考察・ネタバレ

ここから盛大なネタバレが出るので気をつけてください。
なぞがなぞを呼ぶ展開に…
4巻はさらにすごかった…ついにアルトの正体が判明します!そして、島の謎も徐々に明らかになっていきますが、さらに謎が増えます。
ここからは私個人の勝手な推測を話したいと思います。伏線が多くてどうしても考えてしまうので。笑
中世ヨーロッパのお話かと思っていたら、まさかの現代で、アルトたちが住むこの島だけがどうやら外の世界から取り残されているようです。まさに”進撃の巨人”の世界です。
シヨンの意図は……?
島の北部には港があり、外の世界と交流があることが発覚!レティやコノエは外から来た人間だったようです。
そして、領主のシヨンはもちろんそのことを知った上で放置しているようです。
覡たちを救おうともせず、外の世界から距離を置いて鎖国状態をみずから望んでいる様子…。
正直シヨンが何を考えているかわからず不気味すぎます。
エルヴァがひどいことをされても助けることはせず、一方でエルヴァのトラウマを掘り返すような趣味の悪いことをするし、何がしたいのかわかりません。
ただの傍観者でいたいのか、島を滅亡させたいのか…
矛盾した部分を持ち合わせているシヨンは非常にねじれた人格の持ち主のようです。
そして、シヨンには兄がいるので順当にいけば兄が領主になったはず。
父と兄が同時期に亡くなったのは偶然かそれともシヨンが仕組んだことなのか…もしそうだとしたら、とんだサイコパス野郎だということになります。
シヨンにはなにか自分の目指す理想があり、そのためなら親や兄弟も殺してしまえる非常に独善的な男なのかもしれません。
修道院もこの事実を知った上で見てみぬふりしているようなのでなにか裏がありそうです。
なぜ島は鎖国状態を続けられるのか……?
このちっぽけな島がなぜ外の侵略を受けずに鎖国できているのかも重要なポイントだと思います。
エルヴァたち覡は、”ヴィジョン”という黒海を通して未来視できる能力を持っていて、先々代の領主までは他国や大企業がこぞって戦況や金儲けのために来島するほど”島の名産品”になっていたようです。
こんなちっぽけな島、普通なら他国の武力行使ですぐに占領されてしまうでしょう。
それが占領もされず鎖国状態を続けられている…この島には他国が手出しできない何か重大な秘密がある可能性が高いです。
敵は黒海だけでなく外の世界も同様なのかもしれません。
シヨンが何もしようとしないのは、どの選択肢を選んでも未来がないから。だから自然の流れに身を任せている…とも推測できます。
いずれにせよ、この島が外の世界と対等に付き合えるのは覡たちのおかげで、覡たちにこの島の命運がかかっているのでしょう。
修道院が「ヴィジョンを見るな」と今は禁止しているところをみると、ヴィジョン以外に何か秘めた力を隠し持っているのかもしれません。それを修道院は恐れているのかも。
ジャンルを超えた壮大なファンタジー
非常に謎が増えた回でした。とても面白い。BLというくくりではもったいないほど練られたシナリオだと思います。
また、BLの普遍的なテーマである同性愛をLGBTQに昇華しようとする姿勢も今回見られて好感がもてました。私は賛成派なので。
そして、島の現状以外にもこれまでちらっと出てきたエルヴァ様と親交があるあの人物も登場します。ほんとに面白い!この先がどうなるのか気になって仕方ありません!
絶対アニメ化すると確信しています。これをメディア化しないのはおかしいレベルでよくできています。
まだ原作をみてない方はぜひ読んでください!

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『夜明けの唄』見どころ・おすすめポイント

ここからおすすめしたいポイントを3つ解説したいと思います。
今までにないファンタジー × BL
「夜明けの唄」は評価が異様に高く、新しい話がリリースされると毎回ランキング首位を飾ってるので気になってました。
私自身、これまでファンタジーBLにあまり馴染みがなく進んで手に取ってこなかったのですが、この作品に出会えて感謝です!
帯の通りまさに「こんなファンタジーBLを待ってたんだ」って感じ!
設定が複雑だと理解するのに時間がかかりますが、この作品は最初の1話だけですんなり理解できるようになってます。
また、伏線もかなり散りばめられているので、BL抜きにしても面白く読める作品です。
エルヴァ様は”覡(かんなぎ)”と言われ、夜な夜な海に出てくる化け物と戦う巫女で、覡様に選ばれる候補は突然白い髪になり、額に印が浮かびあがります。
そして覡様は黒海の呪いにより子供のまま成長せず、化け物と戦い続けると黒い痣が全身に広がり、幼くして死ぬ運命にあります。
そんなエルヴァ様を支えたい一心でアルトは覡様の身の回りのお世話をします。いつしかアルトはエルヴァ様に恋心を抱くように…。
お世話をするうちにアルトは夜の海に近づいても大丈夫なこと、覡様の黒い痣を消す治癒の力があることが判明します。
徐々にこの世界の置かれた状況もわかってきて、なぜ海の化け物と戦うのか、この運命から逃れる術があるのかが今後明らかになってきます。
アルトが一生懸命エルヴァ様を救おうと立ち向かう姿に愛しか感じません。
まだ完結してないのどうなるかわかりませんが、設定やストーリーも細かに練られててかなりレベルが高く完結まで目が離せません!
圧倒的な画力に魅了される
とにかく絵が美しいです!
口コミを見てても、表紙の圧倒的な絵のうまさに惹きつけられて手に取った人が多い印象です。私もそのクチで、つい購入してしまいました。笑
壮大なファンタジーの世界観も相まってとても引き込まれます。
中を読んでも妥協は一切なし、変だなと思う箇所もないほど画力が神がかっています。
エルヴァ様が綺麗すぎて…それだけでも読む価値あります!
2巻まではキスくらいしかありませんが、3巻で二人は正式に恋人関係になり関係を深めます。
具体的な描写はしないスタイルですが、ちゃんとBL要素もあり、多くの人に刺さるから人気が高いのは間違いないです。
何よりあんな小さかったアルトがエルヴァ様の背をゆうに越して立派な大人になるシチュはめちゃ萌えます!!
幼かったアルトが立派な攻めになるギャップがたまりません!
26歳のエルヴァ様が見た目17歳で、アルトは18歳。
エルヴァ様はほっそり美人受けで、アルトは背も高く大柄のわんこ攻めです。
しかも恋愛すら考えたことないエルヴァ様がアルトに色々と教わるのがもう…ごちそうさまです!笑
ネットもない中世ヨーロッパ時代なので、エルヴァ様の性知識はほとんど無いに等しく(特に男性同士)、アルトが優しく触り合いっこから教えます…///
エルヴァ様の色気が半端なくて、アルトよく耐えれてるなと感心します。笑
BL界に降臨した天才
ユノイチカ先生はこれが初の商業連載にも関わらず最初から長期連載で始められる大型新人BL作家さんです。
連載誌の看板になるほど大人気でついにBLアワード2022 BESTコミック部門 第1位も受賞しました!
作品の端々から才能を感じます。とにかく画力が素晴らしい!
ユノイチカ先生は本当にキャラの表情を事細かに伝えるのがうまくて、キャラの葛藤や戸惑いがすごく伝わってきます。
またキャラの心情の変化がうまく描かれているので、人物に深みが出て感情移入しやすいです。
BがLする展開もそれはそれで面白さがあるのですが、二人が惹かれ合う過程をわかりやすく説得力をもって描いているので二人の関係性に深みが増しています。
単行本以外に20Pの特別小冊子が2つ出てるのですが、またこれが良いんです!
主に二人の出会いから現在までが描かれていて、アルトがエルヴァ様への恋心を自覚する過程が見られます。
クスッと笑える場面もあり、センスにとても上品さを感じます。
デフォルメされた二人も可愛いくキュンがとまりません!
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『夜明けの唄』カップリング・登場人物
▼カップリング
アルトノウル(エルヴァに懐く村の少年) × エルヴァ(海の化け物と闘う巫子)
アルトノウル
海沿いの集落で育った青年。鍛冶職人を生業にしており、周囲からは「アルト」と呼ばれている。
幼い頃から村を守っている覡のエルヴァに興味を持ち、スシュカに命じられて彼が住む小屋に行ったことで交流がはじまる。以降、共同生活を送る中でエルヴァに恋心を抱くようになる。
治癒能力を持っており、余命いくばくもなかったエルヴァの寿命を延ばした。
人当たりがいいことから、女性にモテるもののエルヴァ以外にはまったく興味がない。日常生活では何よりもエルヴァを優先しているため、周囲からは忠犬のようだと呆れられている。
背が高く三つ編みの黒髪がトレードマーク。大抵のことは器用にこなす。
エルヴァ
夜の海から現れる正体不明の化け物を退治する「覡」の青年。10代前半の容姿ながら、れっきとした大人。
ある日突然、アルトが小屋に押し掛けてきたことで知り合いとなる。最初はアルトに対して警戒心を抱いていたが、次第に心を許すように。アルトの告白を受け入れ、恋人同士になる。
新月の夜は化け物が現れないので、唯一自由に過ごせる夜になる。
白髪でおでこに花の紋様があり、手先と足のつま先が黒いのが特徴。覡に選ばれた子供にだけこの特徴が現れる。クーデレ。
▼その他登場人物
レティ
覡を管理する団体「修道会」で、監察官を務める女性。明るく社交的な性格。
数ヶ月に一度、エルヴァの健康状態を確認しに村にやってくる。部下のような立場のコノエと行動を共にしている。
アルトと同じく、覡が人との交流もなく生涯を終えることに疑問を持つ。
3巻で、レティが”村の外”がどのような状態なのか知っていることが判明する。
コノエ
覡を管理する団体「修道会」で、監察官を務める男性。無口で不愛想な性格のため、アルトからは苦手意識を抱かれている。
しかし、アルトが傍にいることでエルヴァの精神が安定していることもあり、アルトに信頼を寄せている。
レティの部下のような立場で、つねに行動を共にしている。
マニエリ
西の覡。子供のように無邪気で明るい性格。ロングヘアで女の子のような容姿だが、男の子。
アルトが海に流された時、運良く覡であるマニエリに発見され交流がはじまる。覡に偏見を持たずに接してくれるアルトのことを気に入っている。
明るく振る舞っているが、孤独に戦うことを強いられる状況に耐えられず、泣きながらアルトに本音を吐き出したことがある。
エルヴァにはちょっぴり塩対応。
スシュカ
アルトの義理の姉。男勝りでサバサバした性格。アルトとよく喧嘩する。
アルトが海に流された時、一晩中探し回るほど本当は弟思いのいいお姉さん。
シヨン
海沿いの集落を治める領主の男性。アルトが修道院の修復作業をしていた時に知り合う。
村の成り立ちや多くの謎について知っている様子で、幼い頃は覡になる前のエルヴァと同じ屋敷に住んでいた。
一見紳士的に振る舞っているものの、裏表の激しい腹黒い性格の持ち主。棘のある言い方でエルヴァたちに接し、エルヴァもアルトも警戒している。

まとめ
スパダリ年下ワンコ×クーデレ戦巫子、二人の恋路と島の謎に衝撃展開!
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夜明けの唄、本当に最高なのでまだの方は読んでくださいね〜!
最後に、BL漫画が好きな方にオススメ記事を3つ厳選しました!