モクモクれん先生の大人気ホラー漫画「光が死んだ夏」のレビューです。
『このマンガがすごい!2023』(宝島社)オトコ編 第1位を受賞しました。
こちら公式にはボーイズラブではないのですが、ブロマンス要素が入ってます。
タップできる目次
「光が死んだ夏」基本情報
著者 | モクモクれん |
レーベル | カドカワコミックス・エース |
出版社 | KADOKAWA |
「光が死んだ夏」おすすめ評価
評価基準 | 星評価(5段階) |
---|---|
BL初心者おすすめ度 | ★★★★★ |
濃厚・エロ度 | ☆☆☆☆☆ |
切ない | ★★★★☆ |
萌える | ★★★★☆ |
こわい | ★★★★☆ |
グロい | ★★☆☆☆ |
満足度 | ★★★★☆ |
「光が死んだ夏」ジャンル
- 幼なじみ、同級生
- 高校生、10代
- 青春
- ホラー
- ミステリー
- サスペンス
- ブロマンス
- わんこ攻め(仮)
- 黒髪受け(仮)
- 健気受け(仮)
- 人外
「光が死んだ夏」カップリング・登場人物
そもそも、どっちが攻め?受け?
BL作品ではないので、公式にはどちらが攻めか受けはありません。ですが、化け物の光が侵食するシーンが多いので、攻めは光、受けはよしきと結論づけました。笑
光のお腹に手を入れると気持ちいいらしいので、まるでおせっせみたいだな…と感じています。個人的に、受けより背が低い攻めっていうのが萌えます!
カップリング
(仮)忌堂光(高校生、幼なじみ) × (仮)辻中佳紀(高校生、幼なじみ)
忌堂光(いんどう ひかる)
よしきの幼なじみ。先生の顔真似をするのが得意で、すぐにふざける。
山の中で光の死体らしきものがあったことから、今生きている光は別物の「何か」だと思われる。その「何か」と忌堂家は深い関わりがある様子で、父親はそのことを知っていたようですが、事故死してしまいました。
光は死ぬ直前まで、よしきを一人にはさせたくないと思っていたことから、深い愛情があったことが伺えます。その影響か、そうではないのか、同じく「何か」もよしきに執着しています。
辻中佳紀(つじなか よしき)
光の幼なじみ。胃痛持ちで、ずっと体調がすぐれない表情をしている。陰キャ。
山の中で光の死体を発見し、今いる光は別の「何か」だと気づいている。それでも光のことが好きで離れることができない。
将来の彼女の話になった時、その話はしたくない雰囲気を漂わせているので、よしきは光のことをLOVEの意味で大好きな様子。光は(たぶん)よしきの好意に気づいていた。
母親が都会育ちで、結婚して村に来たので、何かと“よそ者”として扱われている。妹はそれが原因なのか不登校気味。よしきは閉鎖的なこの村のことを忌み嫌っている。
光とよしきのクラスメイト
朝子(あさこ)
癖のあるショートカットが印象的な元気な女の子。仲の良い友人のユウキからは「あーちゃん」と呼ばれている。霊感が強く、たぶん光が実際には光ではないことに気づいている様子。
ユウキ
黒髪ふたつくくりが特徴的な女子生徒。よしきに好意を示す様子がうかがえる。朝子との関係は親密で、「ゆーちゃん」という愛称で呼ばれている。
巻(まき)
坊主頭が特徴的のお調子者。ある日、通学路が一時的に通れなくなり、林道を通って帰宅したところ、不気味な気配を感じたため、よしきたちに同行してもらうよう頼みます。そこでよしきたちは怪事件に遭遇することになります。
ここから先はネタバレを含みます。お気をつけください。
「光が死んだ夏」あらすじ・考察・ネタバレ

あらすじのあと考察になります。ネタバレを含むのでお気をつけください。
あらすじ
1巻あらすじ
真夏の田舎町、高校生のよしきと光が駄菓子屋の前でアイスを食べるところから物語は始まります。よしきは突然「お前やっぱ光ちゃうやろ」と言うと、光は泣きながら「お願い、誰にも言わんといて」と、おぞましい「中身」を見せます。よしきの目の前にいる光は限りなく本物に近い偽物で、光はもうこの世にいないことを悟りました。生まれてからこの村で一緒に育った光は大切な存在で、どうせこの世にいないのなら偽物でもいいかとよしきは受け入れてしまいます。
しかし、その日から村に異変が起こり始めます。光と一緒に帰宅したある日、老婆が光を見て、「ノウヌキ様が山から下りてきておる」と叫んでいます。そして、翌日その老婆は自分の手を喉につまらせ、不審な死を遂げました。それ以降、よしきはこの世のものではない「何か」と出くわすようになります。
ある時、よしきはスーパーで主婦の暮林理恵に話しかけられます。霊感がある暮林は、よしきがよくないものと関わっていると見抜き、よしきはそのことを相談します。暮林も過去に亡くなった夫が帰ってきた経験があるようで、”それ”と関わりすぎると、人間でいられなくなる可能性があると忠告しました。よしきは光の死を受け入れることを決意し、教室でふたりきりになった時、光を拒絶します。それにショックを受けた光は暴走し、よしきを呑み込もうとします。
2巻あらすじ
よしきの頭の中に何者かが生首をつかむ映像が見えたあと、よしきは現実に戻ります。光は泣きながら「嫌いにならんで」とひとり帰ってしまいました。よしきは、光の危険性を理解しつつも、光とは違った幼さを抱える「何か」に、何もしらないなら僕が教えないといけない、と考えるようになります。
ある日、夏祭りにでかけた光とよしきですが、光が鳥居をくぐろうとすると、誰かが仕掛けたバリアに弾かれて中に入れません。その後、かき氷を食べながら光は、見た目が同じなら、同じに感じるのか尋ねると、よしきは全然違うと言います。それに嬉しそうな光は、だから違いに気づいたのか問いかけます。すると、よしきは「光の死体を見たから」と衝撃の告白を始めました。
光が失踪した日、よしきは大人の言いつけを破り、暴風雨の中、光を探しに行きました。すると、石みたいに冷たくなった光の死体を、森の中で発見します。しかし、その後の記憶はあやふやで、高熱を出して数日間寝込んでしまいます。そして、目が覚めた時には元気な光が病院のベッドにいたとのことでした。
考察・ネタバレ
ここからは考察に入りたいと思います。ネタバレを含むのでお気をつけください。
どこの方言?
モクモクれん先生のインタビュー記事を拝見したところ、三重弁を参考にされているようです。ただ、これが正しい三重弁かは自信がないそうです。笑
光の正体は何なのか?死因は?
光の正体は、光が亡くなる直前の描写から、光の体を乗っ取ったウヌキ(ノウヌキ)様だと思われます。光が山に入って足を滑らせたあと、視界がぐにゃぐにゃになり、その後、光は病院で復活しました。
死因は、ただ単に全身打撲によるショック死なんだろうと思います。女体みたいな木に気を取られるなんて、光らしいですね。笑
山に行った理由
光はなにか儀式を行うために山に入ったようです。たぶん、山の中にウヌキ(ノウヌキ)様が祀られており、光が何かの儀式をそこで行う必要があったんだと思われます。また、それをするのは忌堂家の人間と決まっており、先祖代々忌堂家の人間が執り行ってきたことが、村の長老会議でわかっています。
ウヌキ(ノウヌキ)様とは?
ウヌキ様が山から降りてしまったことにより、村の中で様々な怪奇現象が起こっていることから、村の均衡を保つために必要な、人間ではない「何か」であると思われます。
光が、よしきが引き寄せるこの世のものではない何かを、一手に引き受けて、消失させていることから、ウヌキ様の力は強大で、邪悪なものを追い払う効果があるようです。毒をもって毒を制す役割をしてきた存在なんだろうと思います。
また、ウヌキ様は忌堂家と深い関わりがあるようです。光と父親の回想で、忌堂家の人間は連れて行かないということから、忌堂家の人間が代々ウヌキ様の面倒を見ており、父親の言うことが本当だとすると、村の存続のための生贄的なものを捧げているのかもしれません。
クビタチの業
「クビタチ」とは、1巻で亡くなったおばあさんの地域が「クビタチ」と言われていたので、地名だと思われます。ウヌキ様はこのクビタチで大昔に何か厄災を沈めるために必要な存在で、それが村の守り神のような存在になっているのではと推測します。
村の長老たちは承知しているようで、ウヌキ様が野に放たれたことを危険視しています。そして、「田中」という人物に救援を依頼していることから、3巻では物事が大きく進展すると思われます。
試し読みする!
「光が死んだ夏」と一緒に検索された気になるワード
元ネタ
TikTokの音源で使われて、かなりバズったみたいですね。その元ネタが何なのか調べようと検索した人が多かったようです。それで「光が死んだ夏」がさらに注目されるようになり、ファンとしては嬉しい限りです。
先生のインタビューによると、高校生の時に着想を得たアイディアをもとに個人創作でTwitterに載せていたようです。それが人気になり、連載化が決定しました。TikTokはその後、バズったようです。
そして、ついに『このマンガがすごい!2023』(宝島社)オトコ編 第1位を受賞しました。「チェンソーマン」の藤本タツキ先生を抑えての1位なのはすごいですよね。
「チェンソーマン」「藤本タツキ」
「光が死んだ夏」と一緒に「チェンソーマン」や「藤本タツキ」を調べる人が多いようです。理由は作風や絵柄が似ているからのようです。一部では別名義の噂やパクリ疑惑もありますが、どちらもまったくのデマです。
たしかに、どちらもホラー・グロ要素があり、共通点が多い部分がありますが、作品自体は全然別物です。作風でいうと、チェンソーマンの方がグロ寄り+ハリウッド路線、「光が死んだ夏」はブロマンス+日本ホラーという感じです。
また、『このマンガがすごい!2023』オトコ編で1位、2位に「光が死んだ夏」と「チェンソーマン」が並んでますので、その影響もあると思います。
「光が死んだ夏」感想・ネタバレ

可愛い男子高生につられて購入しました。たしかに青春要素もあり、ほのぼのしてる感もあるんですが、ふつうに怖い!笑
よくよく表紙の光を見ると、瞳が赤くなっていて、人間ではない「何か」だとわかります。そして、絵のタッチも独特なので不気味さが余計に際立っています。
加えて、舞台が限界集落なのが「犬神家の一族」や「八つ墓村」みたいな雰囲気漂わせてるし、日本の夏という描写も相まって怖さを倍増させています。
冒頭で光は死んでいることが確定なので、今存在している光は何なのか、謎解きしながら進む感じで読む手が止まりません。おそらく村に古くから残る土着信仰や因習が関係していると思われます。
また生前の光から記憶は引き継いでいるみたいで、よしきや周りの友達とも自然に会話できます。ただ今までの光とは少し違った行動や言動があり、完全には同化してない感じで、少しずつ自我が芽生えているようです。
そして、化け物の光はよしきにかなりの執着心を見せています。生前の光の影響でここまで固執しているのか定かではありませんが、「よしきが初めての…」と言い淀むところが匂わせてきますね。笑
光のお腹の中によしきの手を入れると、おたがい気持ち良いらしく、まさにセッッッを感じさせます。2回目は光が調子に乗りすぎて、よしきに叱られるのがまた可愛いです!
よしきもダメだとわかりながらも受け入れてしまう、この関係性に萌えが止まりません。完全に共依存みたいな関係になってます。
青春ブロマンスとしても成立してますし、ホラーとしても面白いので、この先の展開から目が離せません!
「光が死んだ夏」と同系統のおすすめ作品
さんかく窓の外側は夜
ホラージャンルが好きな人はヤマシタトモコ先生の「さんかく窓の外側は夜」もおすすめです。
こちらも匂わせ系で、霊が見える三角くんと、除霊できる凄腕霊媒師の冷川さんがバディを組んで、いろんな怪事件を解決するホラーブロマンスです。実写映画化、アニメ化もされている人気作品なのでおすすめです。
青野くんに触りたいから死にたい
青年漫画の「青野くんに触りたいから死にたい」もおすすめです。こちらは男女ものですが、「光が死んだ夏」と同様に日本の土着信仰や因習絡みのホラーでかなり怖いです。ジャンルも日本ホラー+人外(幽霊)+エロといった感じで、「光が死んだ夏」が好きな人は刺さると思います。
内容は、主人公のヤンデレ気味の少女・優里が、死んでしまった少年・青野に触れるため、いろいろな方法を探すホラーラブコメです。ラブコメとありますが、ホラーがかなり強烈なので、夜に見るのは推奨しません。笑
まとめ
「光が死んだ夏」はWeb漫画「ヤングエースUP」で大人気連載中です!まだ読んでない方は試し読みもできるのでチェックしてくださいね。
光が死んでからはじまる村の異変。幼なじみの光のことが大好きなよしきは、光が化け物だと知っても、この世にいないのなら…と受け入れてしまいます。
光の正体は一体何なのか……この先の展開から目が離せません。
最後に、BL漫画が好きな方にオススメの記事を3つ厳選しました!
・ホラー、ミステリーが好き
・可愛い男子高校生のほのぼのした作品が好き
・幼なじみの両片想いに萌える