苑生先生の「兎の森」単行本2巻までのレビューです。
苑生先生が不定期連載している「兎の森」。度々休載しているようですが、その理由ははっきりとわかっていないようです。
本作は「耽美」という言葉がぴったりの雰囲気のあるボーイズラブ作品で、王道の幼なじみラブストーリーと見せかけて、闇が深そうなシリアス展開になるのが見どころです!
- 幼なじみものが好き
- キレイな絵で読みたい、耽美な雰囲気を味わいたい
- 年下執着攻めの片想いにドキドキしたい
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おすすめ評価
ここからネタバレを含みます。お気をつけください。
「兎の森」あらすじ・ネタバレ
ここから先はネタバレを含みます。お気をつけください
1巻あらすじ
志井と環は家がご近所の幼なじみ。志井は環の笑った顔が大好きで、幼少期からずっと遊んでいました。
環の小学校卒業が迫る冬、環は借りていたマンガを返しに志井と会う約束をしていましたが、志井はなかなか来ない環を心配して家に向かいます。
すると、玄関の前で泣いている環を発見。なんとなく帰したくないと感じた志井は、お母さんに頼んで泊めてあげることに。
この日から環を家に泊めてあげることが増え、志井の心と体に少しずつ今までとは違う変化が起こりはじめます。
志井は順調に中学、高校を環の一年遅れで追いかけ、同じ学校に入学します。
志井は、その時には環への想いを確信していて、たまの休みも一緒に過ごしてくれる環に少しでも可能性がほしいと願うようになります。
ある時、環が中学の時の彼女と別れた理由が女の子とするのが苦手だったことを知ります。これに可能性を見出した志井は告白してしまい……?
志井の小学生から高校までの心理描写が繊細に描かれているので、ふたりの関係変化をじっくり楽しめます。志井が考えるより行動しろタイプの男前なのがキュンときます。環はおにぎり大好きなのが可愛い。笑
2巻あらすじ【最新刊】
志井が押し切るかたちで「1年間限定」のお付き合いが始まります。志井はハグもキスもその先だってしたいと考えていますが、環はいつまで経っても友達感覚が抜けません。
ある日、勉強を口実に家に誘った志井は、どうにか一線を越えようと頑張ります。ガードが固い環に「えっち」というワードを発した途端、環が豹変し「セックスなんかする必要ない」と言い放ちます。
作戦変更し無理やりすることにした志井ですが、環の意思に反し体が反応したことで、環は今までにない拒絶を示します。
これ以降、ふたりの仲は険悪になってしまいます。志井は反省し、なんども環に謝罪しますが環は許しません。
そして、環が体調不良で学校を休んでいることを知り、志井は差し入れを届けに環の家に向かいます。
志井は環に変なことをしないという誓約書を環に見せ、なんとか家の中に入ります。初めて環の家にお邪魔した志井ですが、その空間に違和感を感じます……。
そして、環が離れた隙に、子供の字で書かれたであろう「日記帳」を勝手に見てしまい……?
志井は少しサイコパス要素ありますね。手段を選ばないとこあるし、あまりやったことに罪悪感がない。一方、環はガードが固いようでゆるく、ほだされはじめています。どんどん環を暴いて志井の手中に納めてほしいです!
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「兎の森」見どころ・感想
この作品大好きです!BLというよりボーイズラブって感じの雰囲気があり、まさに「耽美」というワードがぴったりの作品です。
苑生先生の作品は「被写界深度」を読んで好きになりました!
BL漫画家としては新人さんのようですが、圧倒的に絵がキレイで日常を切り取って魅せるタイプの作家さんです。
クリエイターは作家性が出るものですが、苑生先生は「性春」と「思春期ならではの痛々しさや苦悩」をじっくり描くのが好きな方だと感じました。
私はそういうタイプの作品が好みなのでバッチリです!
さて、志井ですが、少しサイコパス要素ありますね。
目的のために手段を選ばないところがあるし、あまり罪悪感を感じないし、中学生で年上のお兄さんとセフレになる行動力がそれっぽいなと感じました。
愛のあるサイコパスはいいです。セフレのお兄さんを経て、環への執着度合いも増している感じもいいです。
一方、環は毒親の母親のせいで、まともな恋人関係を築けないでいるのが可哀想です。親の罪は重いですね。
志井の誘導尋問により、環に「性欲」はあるけど、幼少期に母親からかけられた呪いのせいで自分が決めたルールを破れずにいることがわかります。
環はここから救い出してくれる誰かを待っている気がします。性に関してとてつもない拒絶を示しますが、裏を返せばとても興味があるんだと思います。
環みたいなタイプは、志井みたいな押しが強い男の子が適役ですね。環もガード固そうに見えて隙だらけなので、志井にこのまま流されるのが目に見えます。笑
2巻の最後で環が志井に初めて手でされてしまうのですが、こういうのは一回してしまえばストッパーが外れて最後まで行ってしまうと思います♡
私はシーモアで読んだのですが、修正があまめなのでお伝えしときます!刻みのりが所々まぶしてあって、ふたりとも立派なT子をお持ちでした。笑
良いところで終わっていて次が気になるのですが、次巻の発売まで時間がかかりそうです。
苑生先生が休載しているようですが理由ははっきりと分かっていません。
不定期掲載で連載はつづいているようなので楽しみにして待ちたいと思います!
「兎の森」は電子書籍で配信中です。電子は紙の20~90%OFFで読めることが多いので、クーポンを使ってお得に読んでくださいね。
「兎の森」カップリング・登場人物
コミック「兎の森2」(DMMブックス)
▼カップリング
志井洵太(高校1年生,幼馴染) × 弓永環(高校2年生,幼馴染)
志井洵太(しい しゅんた)
環の一歳下で高校1年生。環とはご近所さんで小学校からの付き合い。
小学校高学年の頃には環への思いを自覚していた。マイペースで、とりあえず行動してから考えるタイプ。
高校生のわりに大人びていて、相手をリードできる天性のオス気質を備えている。
三白眼が特徴で表情が顔に出にくい。むっつりスケベ。
弓永環(ゆみなが たまき)
志井より一歳上の高校2年生。陸上部で短距離走をしていたので足が速い。
家庭環境が複雑で、シングルの母親と二人暮らし。家計を助けるためバイトをかけもちして、勉学のかたわら頑張っている。
毒親である母親の影響で、性に関して嫌悪感が強い。
黒髪センターパートの女顔が特徴。細いわりにごはんをよく食べる。
▼志井の元セフレ
タクミ
大学生。志井が中学3年の時、SNSで知り合った元セフレ。
当時、志井は高校生と偽り、環を忘れるためタクミと関係を持つが、結局環のことが大好きという結論になりただの友達に戻る。
「兎の森」が好きな方にオススメのBL漫画3選
「兎の森」が好きな方におすすめのマンガを3つご紹介します。
1. 夜明けの唄|ユノイチカ
中世ヨーロッパを彷彿とさせるファンタジーBL。
普段ファンタジーをあまり読まない私がどっぷりハマったおもしろさです。
まず、絵が美しく、新人作家さんとは思えないほど画力があり、漫画としての完成度が高いです。
そして、ミステリー要素があり、徐々に島の謎が明らかになっていくので目が離せない展開が続きます。
もちろんBがLしているので大変満足できます。クーデレのエルヴァ様に仕える従順な大型わんこ・アルトがかわいく、2人の体格差も萌えます!
原作コミックのネタバレ感想はこちら
2. 君には届かない。|みか
幼なじみの純愛が好きな方におすすめです。
攻めが一途に片想いしていたところ、ひょんなことがきっかけで告白してしまうところから話が始まります。
タイトル通りなかなか”君には届き”ません。攻めが純情かと思いきや、手がはやいところがあり、たまにみせる雄みにキュンとさせられます。
2023年9月から実写ドラマも放映される人気作品です!
原作コミックのネタバレ感想はこちら
3. やましい恋のはじめかた|小東さと|成人向け
幼なじみ&年下執着攻めが好きな方におすすめの作品。
受けのことが好きすぎて、大学まで追っかけてきて、隣の部屋にまで引っ越してくる執着具合です。
シーモアの電子で読みましたが、修正はあまめ(白枠に薄くトーンがかった感じ)なのでT子も堪能したい方にもおすすめ。
成人向け内容のエロさ&絵がうまいので大満足間違いなしです!
原作コミックのネタバレ感想はこちら
まとめ
幼なじみの片想いを小学生から高校になるまでじっくり丁寧に描いているBLマンガ「兎の森」。
志井は、小学生の頃の環への”好き”が次第に変化していくこと気づきはじめます。この気持ちは正しくないと荒んだ時期もありましたが、結局環のことが忘れられません。
一方、環は大好きな母親のせいで”性”に嫌悪感を抱くように。そのせいでまともに女の子とも付き合えず、志井の強引な態度につけ込まれてしまいます。
「兎の森」は不定期掲載で連載中です。次巻の発売を楽しみにして待ちたいと思います!
電子書籍で配信中なので、気になる方は試し読みしてくださいね。
最後に、BLファンのためのオススメ記事を厳選しました!